紹介の曲「サムワン・トゥー・ウォッチ・オーヴァー・ミー」は、1926年に公開されたブロードウェイのミュージカルコメディ「Oh,Kay!」のために書かれた楽曲で、劇中、主演女優のガートルード・ローレンスによって歌われ、翌年にはレコードリリースとなりヒットしました。
YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Someone+to+Watch+Over+Me+Gertrude+Lawrence
紹介の曲のほか「サマー・タイム」などの名曲を残したガーシュウィン兄弟(作詞家/兄:アイラ・ガーシュウィン、作曲家/弟:ジョージ・ガーシュウィン)によって書かれた楽曲で、1926年には弟のジョージ・ガーシュウィンによってピアノ・インストゥルメンタルとして先行リリースされています。
ミュージカルで使用された当初はスイング感のあるテンポの早い曲でしたが、兄のアイラ・ガーシュウィンからバラード調にしてみてはどうかと提案されて以降、現在のようなバラードスタイルが主流になっていったと言われており、今ではジャズスタンダードとしても有名なバラードとなっています。
愛らしく魅惑的で美しいメロディを持っていることから、多くのアーティストにカバーされ続けており、前回に紹介の”キース・ジャレット”など、おすすめしたいカヴァーが多くあって、誰をピックアップしようかと迷ったのですが、女心を歌っていることから、女性のリードシンガーで若い人にも聴きやすいアレンジの、グラミー賞ほか、多くの賞を受賞する実力派アカペラ・コーラスグループ「TAKE6」によるカヴァーをピックアップしてみました。
2008年にリリースされたアルバム、「スタンダード」に収録されています。
YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Someone+to+Watch+Over+Me+TAKE6
女性リードボーカルには、2013年に正式なソロデビューを果たしたシェリー・フレイジアー(Sheléa Frazier) 、トランペット奏者には、グラミーを2度受賞する才能を持ちながらも心不全により若くして亡くなったロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)をゲストに迎えています。
「TAKE 6」のコーラスワークの持ち味はもちろん、シェリー・フレイジアーの愛らしく色気のある歌唱、ロイ・ハーグローヴのホーンセクションも楽曲の魅力を引き出しています。
紹介の曲「サムワン・トゥー・ウォッチ・オーヴァー・ミー」が収録されたアルバム「スタンダード」は、その名の通り、主にジャズのスタンダードナンバーによって構成されたアルバムで、ゲストにアーロン・ネヴィル(Aaron Neville)、ジョージ・ベンソン(George Benson)、アル・ジャロー(Al Jarreau)、ジョン・ヘンドリックス(Jon Hendricks)、ティル・ブロナー(Till Brönner)などが参加。
マーヴィン・ゲイの名曲”What’s Going On ”のカヴァーでは、「TAKE 6」のリードボーカルの1人”クロード・マックナイト”の実弟”ブライアン・マックナイト”をゲストボーカルに迎えています。
また、エラ・フィッツジェラルドの楽曲”A Tisket To Tasket ”では、エラの1938年の古いオリジナル音源を使用してコーラスアレンジするという面白い試みもみられます。
「サムワン・トゥー・ウォッチ・オーヴァー・ミー」は、1944年公開の映画「ミスター・スケフィントン」(原題:Mr. Skeffington)ほか、
1945年公開の「アメリカ交響楽」(原題:Rhapsody in Blue)
1947年公開、ハンフリー・ボガート主演のサスペンス映画「潜行者」(原題:Dark Passage)
1947年公開、マイケル・カーティス監督の名作「トゥルー・クライム殺人事件」(原題:The Unsuspected)
のちにアメリカ合衆国の第40代大統領となったロナルド・レーガン主演の映画「John Loves Mary」(1949年)
カーク・ダグラス、ドリス・デイ主演。1920年代に活躍したコルネット奏者ビックス・バイダーベックの半生を描いた伝記映画「情熱の狂想曲」(原題:Young Man with a Horn)(1950年)
ジーン・ケリーが主演するミュージカル映画の傑作「巴里のアメリカ人」(原題:An American in Paris)(1951年)
ドリス・デイとフランク・シナトラ主演のミュージカル映画「Young at Heart」(1954年)
マイケルカーティス監督作品。アン・ブライスとポール・ニューマン主演の映画「追憶」(原題:The Helen Morgan Story」(1957年)
名作ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の名コンビ、ロバート・ワイズ監督とジュリー・アンドリュース主演によるミュージカル大作「スター!」(1968年)
監督ウディ・アレン, ダイアン・キートンほか出演の傑作ラブ・コメディ。 “才能は運だ 肝心なのは勇気ーーー”「マンハッタン」(1979年)
鬼才ウィリアム・フリードキン監督によるブラックコメディ。シガーニー・ウィーバー、チェヴィー・チェイスほか出演、「世紀の取り引き」(原題:Deal of the Century)(1983年)
カンヌ国際映画祭、監督賞受賞。マーティン・スコセッシ監督によるブラックコメディ。「アフター・アワーズ」(1985年)
ロバート・アルトマン監督作品。「ニューヨーカーの青い鳥」(原題:Beyond Therapy)(1987年)
ジョージ・ミラー監督作。ジャック・ニコルソン主演のファンタスティック・コメディ、「イーストウィックの魔女たち」(原題:The Witches of Eastwick)(1987年)
リドリー・スコット監督が贈るロマンティック・サスペンス。「誰かに見られてる」(原題:Someone to Watch Over Me )(1987年)
アンディ・ガルシア、ユマ・サーマン主演による、戦慄のサスペンス・スリラー。「ジェニファー8」(原題:Jennifer Eight )(1992年)
高校の音楽教師となった主人公ホーランド。しかし、そこには音楽に対してまったく関心がなく、やる気のない生徒たち。さらに、生まれてきた最愛の息子の耳は聞こえなかった…。音楽教師の奮闘と子供の成長を描いた感動大作。「陽のあたる教室」(原題:Mr. Holland’s Opus )(1995年)
デビッド・ドゥカブニー、ミニ・ドライバー主演のロマンティック・ラブ・コメディ。「この胸のときめき」(原題:Return to Me )(2000年)
1980年に公開され、アカデミー賞主題歌賞・作曲賞を獲得。名匠アラン・パーカー監督による、エンターテイナーを目指す若者たちの姿を描いた大ヒットミュージカル作のリメイク。「フェーム」(原題:Fame )(2009年)など、
映画や番組にも使用されています。
【その他の主なカバーアーティスト】順不同
- ジョージ・ガーシュウィン (George Gershwin)[*Original]
- ガートルード・ローレンス(Gertrude Lawrence)
- エラ・フィッツジェラルド (Ella Fitzgerald)
- ナンシー・ウィルソン (Nancy Wilson)
- バーブラ・ストライサンド (Barbra Streisand)
- サラ・ヴォーン (Sarah Vaughan)
- ドナ・サマー (Donna Summer) ☜おすすめ
- フランク・シナトラ (Frank Sinatra)
- ウィリー・ネルソン (Willie Nelson)
- チャット・ベイカー (Chat Baker)
- ロッド・スチュワート (Rod Stewart) ☜おすすめ
- スティング (Sting) ☜おすすめ
- アート・ガーファンクル (Art Garfunkel)
- レネー・オルステッド (Renee Olstead)
- キャサリン・ジェンキンス (Katherine Jenkins)
- ローズマリー・クルーニー (Rosemary Clooney)
- リッキー・リー・ジョーンズ (Rickie Lee Jones)
- クリスティン・チェノウェス (Kristin Chenoweth)
- ブロッサム・ディアリー (Blossom Dearie)
- エイミー・ワインハウス (Amy Winehouse)
- スーザン・ボイル (Susan Boyle) ☜おすすめ
- アッシャー・モンロー (Asher Monroe) ☜おすすめ
- キャロライン・ヘンダーソン (Caroline Henderson)
- マルガリータ・ベンクトソン (Margareta Bengtson)
- レア・サロンガ (Lea Salonga)
- 中本マリ (Nakamoto Mari)
- 阿川泰子 (Agawa Yasuko)
- 森山良子 (Moriyama Ryoko)
- ケイコ・リー (Keiko Lee)
- ゴスペラーズ (The Gospellers)
- 平原 綾香 (Hirahara Ayaka)
- 井手麻理子 (Ide Mariko)
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