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プレシャス・ロード/ジュールズ・ホランド&ルビー・ターナー(Precious Lord/Jools Holland & Ruby Turner with The Rhythm & Blues Orchestra)

紹介の曲「プレシャス・ロード」は、正式には”Take My Hand, Precious Lord”と呼ばれるゴスペルソング。
以前にも書きましたが、”Lord”(ロード)は”神”や”主””キリスト”のことを指しています。

YouTubeは文字リンクから検索できます⇒https://www.youtube.com/results?search_query=Precious+Lord+Jools+Holland+%EF%BC%86+Ruby+Turner

1932年にトーマス・A・ドーシー(Thomas Andrew Dorsey)によって作られた作品で、ジョージ・N・アレン(George Nelson Allen)の「メイトランド」(Maitland)という作品を元にしていることから両者が作者として併記されることもあるのですが、この元となった「メイトランド」の作者については疑義や、諸説あるのが実際です。

紹介の曲の元となった「メイトランド」についても、少しだけ掘り下げておくとしましょう。

「メイトランド」の成り立ちとして有力な説では、歌詞は「Must Jesus Bear This Cross Alone 」という作者不明の詩が元になったと言われておりますが、この作者不明の詩は、トーマス・シェパード(Thomas Shepherd)という人物が1693年に書いた「Shall Simon Bear the Cross Alone」(現在は”The Cross”と呼ばれている賛美歌)の歌詞に非常によく似ていることから、これが 「メイトランド」の 歌詞の源流だと考えられています。

そして、一般に「メイトランド」の作曲者とされるジョージ・N・アレンですが、アレンが編集し1844年~1846年にかけて発刊された賛美歌集「Oberlin Social and Sabbath School him Book」では、この作品は「メイトランド」ではなく、上述した歌詞タイトルに似た「Bearing The Cross」という名前で紹介され、また作品には普通律(C.M.= Common Metre)と記されており、音節を指示するだけの音楽性の乏しいものとして掲載されています。
そして、その後、1890年に発刊された賛美歌集「Song of Praise With Tune(Lewis Ward Mudge)」には、「メイトランド」の作者として、歌の教師であったアムジ・チェイピン(Amzi Chapin[1768-1835])という人物の名前が明記されています。

これらの時系列を踏まえ、 以上のことを信用するならば、紹介の曲「プレシャス・ロード」は、アムジ・チェイピンの作品を元にしてトーマス・A・ドーシーが作った作品となります。

ほかにも、「メイトランド」の起源については、スコットランドの国境に”メイトランド”という一族が実在したことから民謡を起源とする説や、紹介の曲「プレシャス・ロード」に至っては、「メイトランド」のほかに、賛美歌「アメイジング・グレイス」からも影響を受けているとも言われています。
多くの人の精神的支柱となり重宝され、長い時間をかけて受け継がれた伝統的な背景を持った賛美歌だけに、様々な人の想いやインスピレーションで多くの派生を伴うことになったと考えられますね。

さて、紹介の曲「プレシャス・ロード」も、様々なアーティストによって歌われています。
一般的に有名なバージョンとして、2012年にグラミーアワードの殿堂入りを果たした「ゴスペルの女王」と称されるマヘリア・ジャクソン。
多くの女性アーティストに影響を与えた、実力者ぞろいの女性ゴスペルグループ ”クラーク・シスターズ”のメンバーで「現代ゴスペルの母」と称されるトゥインキー・クラーク(Elbernita “Twinkie” Clark)や、同じく ”クラーク・シスターズ”のメンバーで公式な音源リリースは無いもののライヴで歌われているカレン・クラーク・シェアードのバージョンも、ぜひ一聴をおすすめしたい。
そして、2021年に伝記映画にもなったことも記憶に新しい「ソウルの女王」と称されたアレサ・フランクリンのバージョンなど、ほかにも多くの魅力的なバージョンが存在するのですが、ここではジュールズ・ホランドがゲストボーカルにルビー・ターナーを迎え、2008年にライノ・レコードからリリースされたアルバム「The Informer」に収録された、シックでモダンなサウンドをチョイスすることにしました。

↑アルバム「The Informer」

ライノ・レコード(Rhino Records)は、主にベストアルバムやコレクションアルバムなどの企画物や再販のアルバムを得意とするレコード会社なんですが、とても高品位で通なセレクトをすることで洋楽好きには有名なレーベル。
どのCDを買うか迷ったらオムニバスのライノを買っとけ、と言っても大袈裟ではないくらいに良いセレクションが多いので、みなさんも買うアルバムを迷ったらライノの音源を探してみて下さいね。

アルバム「The Informer」は、そんなライノ・レコードからリリースされたアルバムで、紹介曲も収録された「Consider The Source」と呼ばれるライヴ音源のボーナスCDを加えた2枚組のアルバム。
「プレシャス・ロード」はもちろん、どの曲もセンスの良いサウンドに、天才ジュールズ・ホランドの演奏とルビー・ターナーの歌唱力が堪能できる、おすすめのアルバムです。

「プレシャス・ロード」 では、この苦しみから救ってください、神様、どうか私の手をとりあなたのもとへと導いて下さいという願いとともに、苦しみや悲しみが歌われているのですが、ゴスペルミュージックの力強さや精神性の特徴でもある、機運を陽へと転換させようとする前向きの力や想いも感じ取ることができます。

世界中の多くの方が苦しんでいるこのコロナ禍において、音楽が出来ることは陰ながら小さいことかもしれませんが、何時の時もどんなときにも、あなたを勇気づけ励まし寄り添ってくれるのも、また音楽なのかもしれません。
また一年、たくさんの素晴らしい音楽と共に楽しみながら、この苦難を乗り越えていきましょう。

尚、 「プレシャス・ロード」(Take My Hand, Precious Lord )は、

モータウン全盛時代のN.Y.を舞台に、当時の音楽業界の闇とスターを夢見る3姉妹の苦難を描き、2012年にホイットニーの出演も話題になりリメイクもされた映画「スパークル」ほか、

1964年ミシシッピー州の小さな町で3人の公民権運動家が姿を消した衝撃的な実話をベースに、奇才アラン・パーカー監督がアメリカのタブーに挑む社会派サスペンス「ミシシッピー・バーニング」

1993年の映画「Come the Morning」

ジョン・グリシャムのベストセラー小説をジョエル・シューマカー監督が映画化。
マシュー・マコノヒー/サンドラ・ブロック/サミュエル・L.ジャクソン/ケヴィン・スペイシーほか出演。
娘をレイプした白人を射殺した黒人男性を弁護する、若き弁護士の姿を描いた映画「評決のとき」(原題:A Time to Kill)

1998年の映画「Why Do Fools Fall in Love」

「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」というタイトルの色褪せたスクラップブック。そこには娘の知らない母と3人の親友たちの輝く日々、秘密がたくさん詰まっていた…。
サンドラ・ブロック/アシュレー・ジャド/エレン・バースティン/フィオヌーラ・フラナガンほか出演の映画「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」(原題:Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood)

1964年にノーベル平和賞を受賞したキング牧師は、翌年、黒人の選挙権を求めてアラバマ州セルマから州都モンゴメリーまで80キロのデモ行進を始めるが、そこに待ち構えていたのは白人の州警察と民兵隊だった。次々と黒人たちが殴り倒されていくニュース映像が全国に流れる・・・。第87回アカデミー賞作品賞ノミネート、主題歌賞受賞作品。
「グローリー/明日への行進」(原題:Selma)

キャスリン・ビグロー監督が1967年のデトロイト暴動のさなかに起きたアルジェ・モーテル事件を映画化した衝撃作。「デトロイト」

少女のころから抜群の歌唱力で天才と称され、煌びやかなショービズ界の華となったアレサ。しかし、その裏に隠されていたのは、尊敬する父、愛する夫からの束縛や裏切りだった。すべてを捨て自分の力で生きていく覚悟を決めたアレサの歌声が、世界を歓喜と興奮で包み込んでいく。アレサ・フランクリンの半生を描いた映画「リスペクト」

など、映画や番組にも使用されています。

【その他の主なカバーアーティスト】順不同

  • セラー・ジュビリー・シンガーズ (Selah Jubilee Singers)
  • ソウル・スターラーズ (The Soul Stirrers)
  • シスター・ロゼッタ・サープ (Sister Rosetta Tharpe)
  • ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ (The Blind Boys of Alabama)
  • ディキシー・フォー (The Dixie Four)
  • エディ・アーノルド (Eddy Arnold)
  • クララ・ウォード (Clara Ward)
  • リトル・ジミー・ディケンズ (Little Jimmy Dickens)
  • ヘレン・マカラニー・バース&ヘルマン・フォス(Helen McAlerney Barth And Herman Voss)
  • ポール・ミケルソン (Paul Mickelson)
  • マクガイア・シスターズ (The McGuire Sisters)
  • ジョージ・ルイス (George Lewis)
  • ジミー・ウェイクリー (Jimmy Wakely)
  • ケイ・アーメン (Kay Armen)
  • ゲイル・ストーム (Gale Storm)
  • ハンク・ウィリアムズ (Hank Williams)
  • チェット・アトキンス (Chet Atkins)
  • ブラックウッド・ブラザーズ・カルテット (Blackwood Brothers Quartet)
  • アレサ・フランクリン (Aretha Franklin)
  • レッド・フォーリー&ザ・フォギー・マウンテン・ボーイズ (Red Foley And The Foggy Mountain Boys )
  • エルヴィス・プレスリー (Elvis Presley)
  • リトル・リチャード (Little Richard)
  • ジュエル・ゴスペル・トリオ (Jewell Gospel Trio)
  • ドン・シャーリー (Don Shirley)
  • ニーナ・シモン (Nina Simone)
  • ザ・ステイプル・シンガーズ  (The Staple Singers) 
  • ロニー・ドネガン (Lonnie Donegan with Chris Barber’s Jazz Band)
  • トミー・エリソン (Tommy Ellison and The Singing Stars)
  • ローズ・マドックス (Rose Maddox)
  • ビル・リーダー (Bill Reeder)
  • ウェイン・ニュートン (Wayne Newton)
  • エタ・ジェイムズ feat. グラディス・ナイト&チャカ・カーン (Etta James feat. Gladys Knight & Chaka Khan)
  • ジミー・ディーン (Jimmy Dean)
  • アイダ・グッドソン (Ida Goodson)
  • ロイ・ロジャーズ&デール・エヴァンス (Roy Rogers And Dale Evans)
  • ファーン・ジョーンズ (Fern Jones)
  • クリフ・リチャード (Cliff Richard)
  • デイヴィス・シスターズ (The Davis Sisters)
  • カントリー・ジョニー・マティス (Country Johnny Mathis)
  • ジム・ネイバース (Jim Nabors)
  • ドリス・トロイ (Doris Troy)
  • リロイ・ヴァン・ダイク (Leroy Van Dyke)
  • パット・ブーン (Pat Boone)
  • マール・トラヴィス (Merle Travis)
  • スタンレー・ブラザーズ (The Stanley Brothers)
  • バージニア・リー (Virginia Lee)
  • ジミー・デイヴィス (Jimmie Davis)
  • ブラインド・コニー・ウィリアムズ (Blind Connie Williams)
  • モセダーデス (Mocedades)
  • グロリア・スペーサー (Gloria Spencer)
  • ゴールデン・ゲート・カルテット (The Golden Gate Quartet)
  • シドニー・ディヴァイン (Sydney Devine)
  • ジム・リーヴス (Jim Reeves)
  • フロイド・クレーマー (Floyd Cramer)
  • エヴァ・オルメロヴァ (Eva Olmerová)
  • ジョージ・ビバリー・シェー (George Beverly Shea)
  • アンドレ・クラウチ&ザ・ディサイプルズ (Andraé Crouch & The Disciples)
  • テネシー・アーニー・フォード (Tennessee Ernie Ford)
  • アンディ・グリフィス (Andy Griffith)
  • ベン・ブランチ ( Ben Branch & The Operation Breadbasket Orchestra & Choir)
  • ガイ&ラルナ (Guy & Ralna)
  • アーニー・スミス (Ernie Smith)
  • ラルフ・カーマイケル (Ralph Carmichael)
  • スウェーデン・ジャズバンド (Sveriges Jazzband)
  • アイク・ターナー (Ike Turner ‎)
  • ガーランド・シュピング (Garland Shuping And The Cross Crowd)
  • ジム・マクリントック (Jim McClintock)
  • ラリー・カニングハム (Larry Cunningham)
  • ベティ・ジーン・ロビンソン(Betty Jean Robinson)
  • ビル・アンダーソン&ヤン・ハワード (Bill Anderson And Jan Howard)
  • リンク・レイ (Link Wray)
  • マリオン・ウィリアムス (Marion Williams)
  • ロウレンス・ウェルク (Lawrence Welk)
  • ディセンダンツ・オブ・マイク・アンド・フィービー (The Descendants of Mike And Phoebe)
  • キャンディ・ステイトン (Candi Staton)
  • バディ・テリー (Buddy Terry)
  • ダラス・ホルム (Dallas Holm)
  • ゲスタ・リンダーホルム (Gösta Linderholm)
  • ビー・ビー・キング (B.B. King)
  • グラディス・ナイト&ザ・ピップス (Gladys Knight & The Pips)
  • トゥインキー・クラーク (Twinkie Clark)
  • アル・グリーン (Al Green)
  • ソロモン・バーク (Solomon Burke)
  • メイヴィス・ステイプルズ (Mavis Staples)
  • ポール・ジョンソン (Paul Johnson)
  • コリー・ヘンリー (Cory Henry)
  • テシー・ヒル (Tessie Hill)
  • ルーサー・バーンズ&ザ・センセーショナル・サンセット・ジュビレアーズ (Luther Barnes And The Sensational Sunset Jubilares)
  • ジョージ・アダムス (George Adams)
  • ジェームズ・クリーブランド (James Cleveland with The Metro Mass Choir)
  • ロイ・エイカフ (Roy Acuff)
  • ディープ・リバー・カルテット (The Deep River Quartet)
  • リリアン・ブッテ&マグノリア・ジャズバンド (Lillian Boutté And Magnolia Jazzband)
  • デヴィッド・ニューマン (David Newman)
  • ラッキー・ピーターソン (Lucky Peterson)
  • チャーリー・プライド (Charley Pride)
  • ジェシー・ディクソン (Jessy Dixon)
  • ジョーダネアーズ (The Jordanaires)
  • B・J・トーマス (B.J. Thomas)
  • ジェイムス・モリソン (James Morrison)
  • メル・ティリス (Mel Tillis)
  • カーク・ウェイラム (Kirk Whalum)
  • ジミー・スコット (Jimmy Scott)
  • レディスミス・ブラック・マンバーゾ (Ladysmith Black Mambazo)
  • ディー・ディー・ブリッジウォーター (Dee Dee Bridgewater)
  • バート・ミラード (Bart Millard)
  • アシュリー・クリーヴランド (Ashley Cleveland)
  • ジム・ヘンドリックス (Jim Hendricks)
  • ランディ・トラヴィス (Randy Travis)
  • チャーリー・ルービン (Charlie Louvin)
  • デローリス・ウィナンス (Delores Winans)
  • キンブラ (Kimbra)
  • ジョーイ+ローリー (Joey+Rory)
  • マイク・ファリス&ローズランド・リズム・レヴュー feat.マクラリー・シスターズ (Mike Farris & The Roseland Rhythm Revue Featuring The McCrary Sisters)
  • チャーリー・ヘイデン&ハンク・ジョーンズ (Charlie Haden, Hank Jones)
  • グロリア・ゲイナー (Gloria Gaynor)
  • コリン・リンデン (Colin Linden)
  • ジュディス・ダーラム (Judith Durham)
  • プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション (Prince & The New Power Generation)
  • ノース・ミシシッピ・オールスターズ (North Mississippi Allstars)
  • パイントップ・パーキンス (Pinetop Perkins)
  • セラ (Selah)
  • サウンズ・オブ・ブラックネス (Sounds of Blackness)
  • ミーシャ・パリス (Mica Paris with Jools Holland)
  • ナッシュビル・キャスト (Nashville Cast)
  • バーバラ・ヘンドリックス (Barbara Hendricks)
  • ジェニファー・ハドソン (Jennifer Hudson)
  • 吉田美奈子 (Yoshida Minako)
  • 綾戸智恵 (Ayado Chie)・・・ほか
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この記事を書いた人

初心者大歓迎。プロ輩出実績多数。
ボイストレーニングスクールのトップノートです。

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