ミスティ・ブルー / ドロシー・ムーア (Misty Blue / Dorothy Moore)

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Dorothy+Moore

〜「ミスティ・ブルー」は、悲しみの歌。
どんなに忘れようとしても、あなたのことを想うと、この心には霧がかかったように、世界は変わってしまう。
恋に傷つき癒えることのない孤独な気持ちや、いつまでも消えることのない愛する人への想い、溢れる涙で映し出された景色をも表現しています。〜

「ミスティ・ブルー」は、アメリカの作曲家ボブ・モンゴメリーによって書かれた楽曲で、当初はブレンダ・リーに歌われることを想定して作られた楽曲だと言われています。
結局、この曲をブレンダ・リーが歌うことはなかったものの、ブレンダ・リーのプロデューサーであったオーウェン・ブラッドリーに、女性カントリーシンガーのウィルマ・バージェス(Wilma Burgess)への提供を勧められ、1966年にカントリースタイルにアレンジされてシングルリリースとなりヒットを記録。

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Wilma+Burgess

翌年の1967年には、男性カントリーシンガーのエディ・アーノルド(Eddy Arnold)がチェット・アトキンスをプロデューサーに迎えシングルリリースすると、再びヒット。

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Eddy+Arnold

はっきりとは分かりませんが、シングルリリースとしてはウィルマ・バージェスのヴァージョンが先行リリースされていますが、エディ・アーノルドのヴァージョンは、1964年及び再販となる1973年にTVの企画物としてRCAから発売された２枚組のコンピレーションアルバム「The Greatest of Eddy Arnold – Volumes 1 & 2」に既に収録されていたようですから、エディ・アーノルドのヴァージョン方が、シングルではないものの実質は先に発表されていたことになるのではないでしょうか。企画ものではありますが、ここではオリジナルはエディ・アーノルドとしておきます。

エディ・アーノルド
「The Greatest Of Eddy Arnold-Volume1&2」

そして、ピックアップしたアメリカのミシシッピ出身のゴスペル&ブルースシンガー、ドロシー・ムーア(Dorothy Moore)が1975年にカヴァー。
このヴァージョンもやはりヒットを記録し、カヴァーされたものの中でもポップチャートにおいても上位を獲得、本国アメリカ以外の国でもヒットした有名なヴァージョンとなりました。

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Dorothy+Moore

ドロシー・ムーアは、女性３人組のグループ「ポッピーズ」(POPPIES)のリードシンガーとして、エピックレコードからデヴューするものの大きなヒットには恵まれませんでしたが、ソロへ転身後、出身地でもある地元ミシシッピのレーベル「マラコ・レコード」に在籍すると、紹介の曲「ミスティ・ブルー」が大ヒットとなり、一躍、有名になりました。

ドロシー・ムーア/ミスティ・ブルー — ドロシー・ムーア
アルバム「Misty Blue」

主にゴスペルやブルース、R&Bなどのアーティストを手掛け、のちにサザン・ソウルやディープ・ソウルと称されるジャンルの礎や黄金期を築き、”ザ・ラスト・ソウル・カンパニー”と呼ばれるに至った「マラコ・レコード」躍進の起爆剤となったのは、紹介の曲ドロシー・ムーアの「ミスティ・ブルー」だと言っても過言ではないかもしれません。
勿論、ドロシー・ムーアにとっても、一番のセールスとヒットを記録する代表曲になりました。

近年では、メアリー・J.ブライジ(Mary J.Blige)や、モニカ(Monica)がアルバムで取り上げたことでも、ご存知の人も多いのではないでしょうか。

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Mary+J.+Blige

YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Misty+Blue+Monica

様々なアーティストにカヴァーされ続けてはヒットとなる「ミスティ・ブルー」。
15分足らずで作られた楽曲だと言われていますが、「ミスティ・ブルー」には、その良質のメロディーはもちろん、人々の心にフックする何かがあるのでしょうか。
皆さんも１度聞いて、その何かを感じてみてくださいね。

尚、「ミスティ・ブルーは、1996年に公開された映画「フェノミナン」ほか