「マテリアル・ガール」は、米国の女性アーティスト、マドンナが1984年にリリースしたセカンドアルバム「ライク・ア・ヴァージン」に収録された楽曲で、翌年にはシングルもリリースされました。
YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=6p-lDYPR2P8
「歌は世につれ、世は歌につれ」といいますが、この曲のリリースされた当時は世界が好景気に沸き、のちにバブルと呼ばれる時代へ向かう頃。全てのものに勢いがあり、人々の気持ちも高揚していた時代です。
「マテリアル・ガール」のキュートで痛快なダンスポップチューンからも、そんな時代の空気や勢いが感じられます。
個人的には、この曲を耳にしたのは中学の頃だったと思いますが、とにかくポップでキャッチーなノリとメロディが鮮烈で、少し前にシンディ・ローパーの大ブレイクもあったことから、初めて耳にしたときはシンディ・ローパーが新作を出したのかなぁなんて思ったものです。
当時はスマホなんて便利なものは無かったですから、流れてる音楽の曲名やアーティストを簡単に調べることも出来ませんでした。
ラジオだといち早く新譜を耳にできるんですが、曲始まりや終わりのDJのタイトルコールが英語で早口だと聞き取りにくくて、なんとか一部でも聞き取って、それを手掛かりに音楽雑誌やレコードショップなんかで探したりしましたよね。
なかなか大変でしたけど、それが当たり前の時代、宝を見つけるような感覚で楽しかった気がします。
「マテリアル・ガール」を改めて聞いてみると、ポップでキャッチーなサウンドの中にもブルースコードとなるトニック7thのアプローチや、bⅦコードを使用した短7度のブルーノートにアプローチするメロディを導いており、玄人的な手法やスパイスがしっかりと詰め込まれてあることが分かります。
ビートロックサウンドを主体にしながらも、印象的なベースにシンセやボコーダーのようなテクノサウンドが散りばめられているのも面白い要素ですね。
「マテリアル・ガール」の収録されたセカンドアルバム「ライク・ア・ヴァージン」はビッグヒットを記録し、全米アルバムチャートの1位を記録。
以降、次々とビッグヒットを生み出し、数々の音楽アワードを受賞するなど、セクシーな女性のポップアイコンとして一時代を築いたマドンナ。
とくにダンスポップ系における女性アーティストへの影響は大きく、マドンナの用いた見せ方などの手法、ショーケースは、ソロアーティストのみならずグループにまで及んでいます。
「マテリアル・ガール」のミュージックビデオはマドンナが賞賛する女優の一人マリリン・モンローが1953年に主演した映画「紳士は金髪がお好き」(原題:Gentlemen Prefer Blondes)でパフォーマンスされた「Diamonds are a Girl’s Best Friend」をオマージュしたものと言われています。
このシーンや楽曲では、マリリン・モンローのパフォーマンスがオマージュされて使用されることも多いのですが、マドンナのミュージックビデオでは、お金や宝石を盾に言い寄ってくる男性をあしらい、一見真逆の男性と結ばれるシーンで終わっているのは、マドンナ自身の真意や意図するところがあるからなのでしょうか、意味深ですね。
YouTubehttps://www.youtube.com/watch?v=FmMG7C7HDIE
紹介の曲「マテリアル・ガール」は、
1998年の映画「ウェディング・シンガー」
2004年の映画「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」(原題:Bridget Jones: The Edge of Reason)
2018年の映画「クレイジー・リッチ!」(原題:Crazy Rich Asians)
2020年映画「ヴァリー・ガール」
など、映画や番組にも使用されています。
【その他の主なカバーアーティスト】順不同
- ヴァージン (Virgin)
- ウォーク・オフ・ジ・アース (Walk Off The Earth)
- ベルク&ザ・ヴァーチャル・バンド (Berk & The Virtual Band)
- アンジェラ・アキ (Angela Aki)
- スウィート・バケイション (Sweet Vacation)
- アヤコ (Ayako)
- 黄耀明 (Anthony Wong)
- 宝塚歌劇団 (Takarazuka Revue Company)
- ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 (Royal Philharmonic Orchestra)・・・ほか