「ワン・ツー・サン・シャイン!」の掛け声から始まる今回の紹介曲は、1969年にガーナ出身のテディ・オセイ(Teddy Osei)らのメンバーが中心となり結成されたバンド「オシビサ」の楽曲「サンシャイン・デイ」。
YouTubehttps://www.youtube.com/results?search_query=Osibisa++Sunshine+Day
「オシビサ」(osibisa)は、そのバンド名の由来にもなっている、ガーナにルーツを持つの民族音楽「ファンティ・オシビサーバ」(Fanti Osibisaaba)から付けられた名前で、現代音楽の中にアフロサウンドを感じさせるサウンドが特徴のバンド。
由来となった「ファンティ・オシビサーバ」とは、「パームワイン・ミュージック」(Palm-wine music)や「アダハ音楽」(Adaha)と呼ばれるバリエーションもある「ハイライフ」と呼ばれるジャンルの原種の1つ。
その昔、地元の漁師などで歌われていた現地の音楽と、ガーナが英国の植民地として統治されていた時代に西洋からもたらされたギターや管楽器などの楽器のサウンドが混ぜ合わさって出来たこれらの音楽は、やがて西アフリカ一帯へと拡がり発展し「ハイライフ」と呼ばれ、現在までにジャズやソウル、ファンク、ロックなど様々な音楽とのクロスオーバーを果たし、その可能性や多様性を引き出しています。
紹介の楽曲「サンシャイン・デイ」も、ワークソング的な要素も感じさせる民族的なメロディやノリに加え、西洋のブラスバンドのサウンド、ブルージィなエレキギターやジャジィなピアノといった現代の音楽の要素はもちろん、カリプソ、ボサ・ノヴァやレゲエなどに通ずるラテン系のノリが混在している事がよく分かります。
ガーナのアフリカ大陸のサウンドでありながら、アメリカ大陸(中南米辺り)のサウンドを感じさせるのも面白いですよね。
その昔、カリプソなど中南米の音楽が、植民地として統治されていたアフリカ大陸の国の富裕層の人たちの間で流行った事実を感じさせてくれます。
紹介の曲「サンシャイン・デイ」は、バンド「オシビサ」の初期の主要メンバーである、テディ・オセイ(Teddi Osei)、テディの兄弟のマク・トントー(Mac Tontoh)、そしてソル・アマルフィオ(Sol Amarfio)によって作られた楽曲。
1975年のアルバム「ウェルカム・ホーム」に収録、シングルもリリースされており、同時期の世界的なディスコ・ムーヴメントの中、一般的なディスコ・ソングとは色味が違うもののグルーヴの良い楽曲はディスコ・ファンクチューンとしても脚光を浴び、日本を含め各国でヒットしました。
「オシビサ」の創設者でリーダーのテディ・オセイは2023年で86歳となった現在、高齢による健康状態などから主にバンドディレクターとしてグループを率いるようになりましたが、バンドは男女混合となる編成となり名プレーヤー達を従えて活動を続けています。
先進国など多くの国が人口減少へと向かうに反して、アフリカの人口が爆発的に増えている現在、これからはアフリカ文化など民族系音楽とのクロスオーバーなどが注目され、個人的にはワールドミュージックに焦点が当たってくるのでは・・・なんて気がしております。
紹介の曲「サンシャイン・デイ」は、
1979年の映画「さらばキューバ」(原題:Cuba)ほか
2014年の映画「6才のボクが、大人になるまで。」(原題:Boyhood)など
TV番組にも使用されています。
【その他の主なカバーアーティスト】順不同
- グレッグ・ブラウン (Gregg Brown) [self-cover]
- マット・ビアンコ (Matt Bianco)
- グラウビッツ&ロック (Glaubitz & Roc)
- クロック (Clock)
- ボディ・バンガーズ (Bodybangers)
- クレイジービザ (Crazibiza)
- ドン (DON)
- フライボイター&クラウス・キャスパー (freiboitar & Claus Casper)・・・ほか