紹介の曲「スムース・オペレーター」は、イギリスのAORバンド「シャーデー」が1984年にリリースした楽曲で、デビューアルバム「ダイヤモンド・ライフ」に収録、シングルとしてもリリースされた作品。
YouTubeで検索https://www.youtube.com/results?search_query=Smooth+Operator%2FSade
妖艶で色気ある雰囲気に反して、ラテンの軽快なリズムを併せ持った楽曲は、独特のエキゾチックな作品となり、本国イギリスはもちろん、他の多くの国でもヒットを記録しました。
アルバム「ダイヤモンド・ライフ」
バンド「シャーデー」は、ナイジェリア生まれのイギリスの女性ボーカリスト”シャーデー・アデュ(Sade Adu)”を冠にしたAORバンドで、バンド名もそこから付けられています。
そして、紹介の曲「スムース・オペレーター」には、バンド「シャーデー」の前身ともいうべき、基盤となったアマチュアバンドが深く基因しています。
アマチュア時代、「プライド」というラテンサウンドのバンドのバックボーカルとなったシャーデー・アデュは、バンドメンバーのレイ・セント・ジョンと楽曲「スムース・オペレーター」を共作。
バンドのライヴでシャーデーが担当して歌った「スムース・オペレーター」は、やがてメジャーレーベルから高い評価を受け、シャーデー・アデュはメジャーからソロ契約のオファーを受けるようになります。
しかし、バンド「プライド」に心中していた彼女は、直ぐには契約には応じませんでした。
シャーデー・アデュはバンドから主要メンバーを引き連れていくことを条件に契約。
バンド「シャーデー」としてメジャーデビューへと動きだし、のちに名曲ともなる「スムース・オペレーター」が、いよいよ世界に放たれることとなったのです。
紹介の曲「スムース・オペレーター」は、まさに「シャーデー」の前身となったバンド「プライド」のラテンサウンドの継承も感じさせる楽曲で、ボサノヴァ風のリズムやラテンのサウンドに、魅惑的でセクシーなサックスも印象に残る作品。ラテンサウンドのバンド「プライド」との出会いがなければ、同じ作品は生まれてなかったかもしれません。
シャーデー・アデュのアンニュイで妖艶な雰囲気を持った独特の声質や歌唱が、アダルトな魅力を一層ひきたて、タイトルとサビのフックが強烈なものとなり、1度聞いたら覚えてしまう名曲となっています。
巧みに女性の心を虜にする男詐欺師のことを「スムース・オペレーター」と例え歌った、作品の内容にもマッチしたものとなっていますね。
尚、「スムース・オペレーター」は、メジャーリリースとなった1984年に、2つのバージョンがドロップされています。(厳密には編集違いも入れると3つ。)
1つは、「シャーデー」の12inch盤のファーストシングル「ユア・ラヴ・イズ・キング」のB面にクレジットされたもので、次に続く楽曲「スネーク・バイト」へメドレー形式で繋がるアレンジとなっているもの。
皆さんが一般的に耳にしているであろう「スムース・オペレーター」とは違うアレンジが、至る所に散見できます。
12inch盤シングル(B面ver)を検索https://www.youtube.com/results?search_query=snake+bite
もう1つは、その後、再録されて「スムース・オペレーター」がシングルA面となったもので、一般的にも有名なバージョン。B面には「スピリット」がクレジットされました。
この「スムース・オペレーター」がA面となったものはアルバム「ダイアモンド・ライフ」にも先行収録され、シングルでは12inch盤と7inch盤のエディットがあるのですが、12inch盤は「スムース・オペレーター」から、やはり曲間を作らないメドレー形式で「レッド・アイ」へと繋がる編集となっています。
12inch盤シングル(A面ver)を検索https://www.youtube.com/results?search_query=smooth+operator+red+eye
7inch盤では曲のタイムが短くなっていることからも分かるように、12inch盤のテイクから要所をピックアップし、よりキャッチーなサイズへと編集されブラッシュアップされています。
7inch盤を検索https://www.youtube.com/results?search_query=sade+smooth+operator+7inch
みなさんはどれが好みですか?
個人的には、B面にクレジットされたものは、メドレー形式で続く楽曲「スネーク・バイト」を魅きたて、かなり存分に自由な感じで作られた感じがします。
Aサイドとなった方は、再録されたことでシャーデーの歌唱ピッチや表現も良くなり、どのパートも洗練されたように思います。さらに7inch盤ではサイズも短くなり、掴みが早く、コンパクトになったことで、より一層キャッチーさが増した良作品になったと感じます。ぜひ聞き比べてみてください。
尚、「スムース・オペレーター」は、
1977年の映画「おかしな泥棒ディック&ジェーン」を、2005年にジム・キャリーとティア・レオーニがリメイクしたコメディ。「ディック&ジェーン 復讐は最高! 」 (原題:Fun with Dick and Jane)のほか
「トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合」(原題:You, Me and Dupree)
「Black&White/ブラック&ホワイト」(原題:This Means War)
泣く男 (原題:Uneun Namja)
【その他の主なカバーアーティスト】順不同
- モンゴ・サンタマリア (Mongo Santamaria)
- レスター・ボウイ・ブラス・ファンタジー (Lester Bowie’s Brass Fantasy)
- サンネ・サロモンセン (Sanne Salomonsen)
- グレッグ・アダムス (Greg Adams)
- プルデンセサ・レンフロ (Pru)
- エレーナ・パパリズー (Helena Paparizou)
- ローラ・フィジィ (Laura Fygi)
- マリオ・ビオンディ (Mario Biondi)
- ジョー・クラウス (Joo Kraus)
- カレン・ソウサ (Karen Souza)
- ジョジョ・デズモンド (JoJo Desmond)
- コルネイユ (Corneille)
- ミシェル・ンデゲオチェロ (Meshell Ndegeocello)
- シュンザ (順子Shunza)
- ナディーン・サザーランド (Nadine Sutherland)
- ローラン・ヴールズィ (Laurent Voulzy)
- レイチェル・ウェスト (Rachel West)
- アーロン・ヘイク (Aaron Heick and John Di Martino Romantic Jazz Trio)
- セニョール・ココナッツ (Senor Coconut)
- リュウ(류) (Ryu)
- レイヤマダ (Ray Yamada)
- グレース・マーヤ (Grace Mahya)
- 安富祖貴子 (Afuso Takako)
- 五十嵐はるみ (Igarashi Harumi)
- 山下 伶 (Yamashita Rei) ・・・ほか