「ヒット・ザット」は、アメリカのパンクロックバンド『オフスプリング』が2003年にリリースしたアルバム「スプリンター」に収録され、シングルリリースもされた楽曲。
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パンクロックを軸にしながら、テクノサウンドを感じさせるダンサブルな楽曲で、抑制の利かない欲情や問題への憤りを表すかのような激しさと、軟派な気持ちや節操の無さを皮肉ったようなコミカルなサウンドが同居する、面白い作品となっています。
変化を求めて家を飛び出し、若くして母親となった女の子。
その夫は外で、しっぽり楽しんでいる。
しかし、どうやら彼女にも、他にお相手はいたようで・・・。
「こんな話はよくあること、そんなもんさ。この世は欲情まみれ、お前だって好い思いをしたいんだろ?」と煽り、「色情やSEXは、武器にもなりドラッグみたいなもの、多くの奴は墓穴を掘るのさ」と、節操や貞操観念の薄れた世情を皮肉りつつも、現代社会の実情と問題を表しています。
PVでは、節操の無い者を盛りのついた犬に例え、外へと飛び出した犬を、青い顔の人の形をしたロボット?や、動物管理業者がハサミを持って追いかけています。
雄犬が逃げ込んだ袋小路には、雌犬と多くの子供が睨みを利かせており、とうとう捕えられ、雄犬の雄叫びの後にエリザベスカラーが付けられていることから、去勢されたのでしょう。
人は、それぐらいどうしようもなく節操がないという皮肉めいたメッセージがPVの映像からも見てとれます。
「ヒット・ザット」が収録されたアルバム「スプリンター」は、パンクをベースにしながらも様々なジャンルへのアプローチや表現が感じられるアルバムで、勢いだけでなくバンドの成長や円熟期といったものを感じさせるアルバムです。
一般的に、パンクロックは荒々しいサウンドや装いで横暴な印象を与えますが、案外、権力に抗ったり、社会問題を風刺したりと、少年の様な純粋な想いをストレートに歌っていることが多いジャンルです。
そのストレートで飾らないメッセージ性に魅かれ、1度はパンクロックにハマるという人も多いのではないでしょうか。